信州からの前立腺がん顛末記
高リスクの前立腺がんであると診断され、一度はそれなりの覚悟はしたものの、
結果的には納得のいく治療を受けることができ命拾いをしたという思いが強い。
同様の立場になってしまった人の参考になればと思い、信州より私の体験記を紹介します。
2013年12月治療前の私の年齢は67歳、PSA 26.90、 グリソンスコア 4+3 の 7、
T3aの高リスク前立腺がんでした。
個人的経験談であるので他の治療との客観的な比較はできません。主観的、あるいは
独断的な書き方であることをあらかじめおことわり致します。
伝えたいことの要点
- 高リスクの前立腺がんでも転移がなければ完治する。
- 私は信州に住んでおり、滋賀医大の岡本先生による治療が終了したばかりだが完治したと信じている。
- 再発(再燃)は5年、10年と経過をみなければ分からないことですが、完治したと信じさせてくれるような納得のいく治療を受けることができた。
- 現在の泌尿器科の先生の大半は、高リスクは完治すると思っていないのではないだろうか。ほとんどの書籍も完治すると書いてない。
- 高リスクの場合、通常放射線の外部照射をすすめられる。この時あなたは、完治するのかを確認する必要がある。完治の確率が低ければ残りの人生は再発に怯えながら過ごさなければならない。
- トリモダリティという、放射線の内部照射(小線源療法)+外部照射+ホルモン療法という治療法がある。
- トリモダリティはねらった患部に高線量の放射線をあてることができるので、高リスクにも対応できる。
しかし日本においてはまだあまり普及していないようで、この治療ができるところが非常に少ない。 - 藤野邦夫著「前立腺がん最善医療のすすめ」実業之日本社が非常に参考になった。(残念ながら2022年3月現在絶版のようである。)
- 「遠方であるのに、本で紹介されているような高名な先生に診てもらうことができるのだろうか?」という危惧は全く必要ない。気軽にメール等で問い合わせをすればよい。
- 小線源を前立腺に埋め込む時の体への負担は生検の時よりも楽に感じた。治療全体を通じて尿失禁などのトラブルはなくQOLが高い状態で維持できた。
- 現在、小線源治療を標榜している病院のほとんどが低リスクのみが対象で、中リスク・高リスクの人は適応外のようであるが、岡本先生の場合かなりの高リスクの方にも治療実績があるようなのであきらめずに相談してみるとよい。超多忙であると思われるのに気さくにメールに返事を頂ける。
- 以上、素人が客観的エビデンスも無しに断定的な物言いをしていますが、治療を通して感じたことをストレートに述べた意見も必要であろうと思い、あえて紹介させてもらいます。
- 前立腺がんの人が増えている中、再発で悩む人が減りますように、体験記が参考になればと願う次第です。